金融庁に仮想通貨交換業者として登録された取引所は監査の対象に
2017年9月29日に第一弾として11の仮想通貨取引所が金融庁に登録されました。
日本でクリプト(暗号通貨)の売買を仲介するためには仮想通貨交換業者として金融庁に登録する必要があります。
金融庁に仮想通貨交換業者として登録された取引所は2種類の監査を今後受けることになります。
- 分別管理監査
- 公認会計士による財務諸表監査
分別管理監査とは
仮想通貨交換業者は利用者の金銭又は仮想通貨を自己の金銭又は仮想通貨と分別して管理しなければならない(資金決済法第63条の11第1項)。
またこの管理の状況について公認会計士又は監査法人の監査を受けなければならない(資金決済法第63条の11第2項)。
- 取引所は自分のところのキャッシュと客から預かったキャッシュや自社で所有するクリプトと客のために所有するクリプトを分けて管理する必要があり、
- その状況について会計士による監査を受けなければならないということです。
証券会社やFX会社では分別管理が要求されており、1はそれと同様の管理を仮想通貨交換業者に求める規制となっています。
2ではその状況を会計士が監査することとなっていますが、日本公認会計士協会から発行されている実務指針(仮想通貨交換業者における利用者財産の分別管理に係る合意された手続業務に関する実務指針)を見ると要求されているのは“監査”ではなく“合意された手続”です。
“監査”と“合意された手続”、通称AUP(Agreed Upon Procedures)、の決定的な違いは“監査”では会計士が手続を行った結果を“意見”という形で表明するのに対して“AUP”では意見の表明を会計士は行いません。
具体的に言えば監査では“適正・不適正”などの意見が表明されるのに対して、AUPでは手続の結果が記載されるのにとどまります。
以上から一般的には監査の方が手続は多岐にわたり、保証のレベルも高いと言われます(AUPではそもそも保証は与えられません)。
一方でAUPは監査に比べると手続が限定されており、コストも低く抑えられるのが一般的です。
公認会計士による財務諸表監査とは
日本では上場会社は公認会計士による財務諸表監査を受けなければなりません。
上場会社でなくても一定規模以上の大きな会社(資本金5億円以上または負債200億円以上)は公認会計士による財務諸表監査を受けなければなりません。
上記以外の会社は基本的に財務諸表監査を受ける必要はありませんが、仮想通貨交換業者は非上場でも小規模であっても監査が必要になりました。
分別管理監査と財務諸表監査はセットで行うのが効率的!木村公認会計士事務所ではクリプト(暗号通貨)に精通した公認会計士がブロックチェーン監査のお手伝いをいたします。
分別管理監査と財務諸表監査は内容が重複する部分があるため、同じ会計士が行うのが効率的です。
また、前提として監査を担当する公認会計士が暗号通貨(仮想通貨)に精通している必要があると考えます。
木村公認会計事務所ではクリプト(仮想通貨)に精通した公認会計士がブロックチェーン監査のお手伝いをいたします。
具体的には以下のサービスを提供します:
- 分別管理監査
- 財務諸表監査
- 監査体制構築アドバイス
上記のサービスはセットで行うことが時間的にもコスト的にも効率的ですが、個別対応も可能ですのでお気軽にお問合せ下さい!